yuzukayuzuka


yuzukaです。「結婚」というテーマでコラムを書いてほしいと頼まれた。

「はあ、『結婚』ですか……。」

どんな内容にすれば良いのか、どうしても思いつかなかった。

私は未婚で、結婚願望は遠い昔においてきているので、書けることがない、というのが率直な意見なのだ。

だけど編集長に「書いてください」って言われたし、ちょっと私の考えを、書いてみようと思う。

テーマは「結婚すべき相手ってどういう人?っていうかそもそも結婚にメリットはあるの?」である。

深夜の女子会っぽい。

時代は「結婚がハッピーエンド」ではなくなった

結婚しなくても幸せになれるこの時代に、私は、あなたと結婚したいのです

あの「ゼクシィ」が2017年に掲げたキャッチコピーだ。

良いか、あの「ゼクシィ」である。

結婚したけりゃゼクシィの角で殴れとまで言われていた(言われていない)結婚情報誌の王道、ゼクシィが、ついにはキャッチコピーで

「結婚しなくても良い」と、言い切ったのだ。これは、革命である。

「女の賞味期限は25歳だ」なんていう言葉が平気であたりを行き交い、結婚をしないと変人扱いされる時代は、多分、終わりつつある。

寿退社なんて、専業主婦なんて、目指さなくても良い。

男に媚びて、取り入る必要なんてなくなったのだ。

ディズニープリンセスの映画だって、「結婚がハッピーエンド」じゃなくなった。

この間見た次世代プリンセス映画のシュガーラッシュなんて、主人公のヴァネロペは結婚どころか故郷すら捨て、

危険な街で新たな生活をはじめることが、物語の「ハッピーエンド」として締めくくられた。

そうか、結婚なんてしなくて良い。

ん、待てよ?結婚なんてって……。

結婚ってそんなに、悪いことだったっけ?

結婚とは、ただ一人のために残りの人々をすべて断念せねばならぬ行為である。

ムーアが誰かは知らないが、世界に生まれては死んでいく頭の良さそうな偉人の多くが、「結婚」について、マイナスな名言を残している。

「結婚なんてするべきではない」「結婚なんて」

先に言ってしまえば、私もその意見に概ね同意している。

「子孫繁栄」がインプットされている私たち人間がたった一人の人と人生を添い遂げるなんて、もともと無茶なのである。

愛し合っていたふたりも共同生活をはじめることで遠慮がなくなり、衝突が避けられなくなるし、

最初は心地よかった「制限」も、自分たちの首を絞める「束縛」となっていく。

相手の欠点が見えてくるのと同時に、お互い老化し、美しさも半減していき、慣れによって、性欲も減退。

ときめきなんてとうの昔に消え失せ、残るのは「イライラ」だけである。

この人さえいなければ……。ひとりになりたい……。

孤独を恐れて結婚を決めたはずなのに、

いつしか人は「自由」という名の「孤独」を求めるようになってしまう。

それはすなわち、愛の終わりだ。結婚は愛の寿命を縮める。

実際夜の街には、妻の呪縛から免れようとやってくる既婚者で溢れている。

自分で選んだ最愛の人の待つ家に帰りたくないとだだをこねるのだ。

「ばっかじゃないの。それなら結婚しなければ良いのに」

なんて、私の結婚に対するイメージは、そんな感じだった。

それでも「結婚」で得るものは大きい

さて、それでは私にとって「結婚」は、避けるべき不幸な結末か、と聞かれればそうでもない。

実は私は結婚肯定派で、それによって得られるメリットは大きいと思っているのだ。

ただし重要なのは、相手を間違えないこと。これにつきる。

結婚というのは、「長期的な共同生活」と言い換えられる。

紙切れによる契約とか愛し合ってどうのこうのとかそういう胡散臭いのは端っこに置いておいて、

とにもかくにもこの「長期的な共同生活」ってのができる相手であるかどうか。

そういう相手を選べるかどうかで、「結婚」の失敗と成功が決まってくる。

じゃあ、その相手をどうやって見極めれば良いの?って答えに、ひとつ、確実な手立てを紹介する。

相手選びを迷っている貴方に送りたい、基本的な質問だ。

この質問を、自分の彼に当てはめて、問いかけてみてほしい。

その人はスターバックスやケンタッキーで、ゴミを分別して捨てていますか?

は?って画面を閉じないで。ちょっと思い返して見て。

なにもこれはスタバやケンタッキーだけではなくて、

「ポイ捨てはしますか?」とか「信号は守りますか?」とか、そういう質問に置き換えてみても良い。

貴方の大好きなその人は、誰も見ていないところでも、小さなルールを守ろうとするだろうか?

そう。それらの質問の答えで見えてくるのは、「誰にもバレない状況でも、小さなルールを守れる人かどうか」という、その人の本質的な部分である。

言い切ると批判をうみそうだなあと思いながら、それでもあえて言い切りたいが、ポイ捨てをする男は、密室で明日花キララに迫られたら、浮気でも不倫でも、貴方を裏切り、簡単に男女の一線を超える。

ポイ捨てをしない男でも明日花キララに迫られればほとんどの男はパンツを下ろすが、それでも一定数、この「ほとんど」に当てはまらない男がいるのだ。

そしてポイ捨てをする男の中に、その数少ない「良い男」は、存在しない。断言する。

大切なのはルールを守る基準。

良い男に共通するのは、何かのルールを守る時の基準が、「自分」にあるという部分である。

彼らはルールを守らないと自分自身の心が許せないから、誰も見ていない場面でも、ルールを遵守するのだ。

この基準が「他者」にあるのが、ポイ捨て男だ。

彼らは他者にどう見られたいかという上っ面な部分だけでルールを守るかをその場その場で決めるので、誰にも見られていないところでは、平気でルールを破る。

そしてこれは、「ポイ捨て」でも「浮気」でも同じ。

店員の見ていないところでだけ分別を怠る男は、貴方のいないところで、平気で貴方との間のルールを守り、明日花キララを抱くんだよ、ということだ。

「素敵な人」との結婚は、やっぱりいつの時代だって、ハッピーエンドだ。

人類は太古の昔から、帰りが遅いと心配してくれる人を必要としている。

マーガレット・ミードが誰かは知らないが、数少ない結婚を良しとする名言の中で、とりわけ愛してやまない言葉を、ここに記しておく。

寿退社なんて、専業主婦なんて、目指さなくても良い。

男に媚びて、取り入る必要なんてなくなったのだ。

そう、時代は変わった。結婚「なんて」しなくて良い。

だけど私はやっぱり、帰りを待ってくれる人とか、帰りを待ちたい人とか。

守ってくれる人とか、守ってくれる人がいる生活って、悪くないんじゃないかなって思う。

「結婚」はきっと、悪くない。

だけど忘れないでほしいのは、ソレは相手によって、天国にも地獄にもなりうる。

ということだ。

結婚というのは、「長期的な共同生活」と言い換えられる。

顔がかっこいい。うん、重要だ。

ドキドキさせてくれる。うん、それも必要なことだろう。

だけどまずは何よりも、人としての基本的なことである「誰が見ていようといなかろうと、自分で決めたルールは守る」という基本的なことができている人を選ばなければ、きっとその「共同生活」は、あっというまに破綻をむかえる。

その人はスターバックスやケンタッキーで、ゴミを分別して捨てていますか?

ちょっとだけ立ち止まって、考えてみてほしい。

貴女が、貴女を愛してくれる素敵な男性と結ばれますように。

yuzuka

この記事を書いた人

yuzukayuzuka

編集長。元精神科、美容整形外科の看護師で、風俗嬢の経験もある。実体験や、それで得た知識をもとに綴るtwitterやnoteが話題を呼び、多数メディアにコラムを寄稿したのち、peek a booを立ち上げる。ズボラで絵が下手。Twitterでは時々毒を吐き、ぷち炎上する。美人に弱い。